音楽家のジストニアは手に現れる局所性ジストニアが多く、演奏時に特定の指が突然曲がってしまう症状が一般的ですが、なかには意識しないのに指が伸びてしまう例も見受けられます。演奏以外の箸を使ったり洗髪する動作などでは何の異常もないことがほとんどです。

 また音階演奏で症状が出ても和音では出にくいなど、演奏テクニックによって発症の度合いが変わることが多いのも、音楽家のジストニアの特徴です。

 治療には楽器や器具を使ったリハビリテーション、物理治療、漢方薬を含む薬物治療から、ボツリヌス注射まで、あらゆる手段が動員されます。ボツリヌス注射は自費診療になりますが使用資格の認定が必要で、酒井理事長は毎年認定医としての資格を更新しています。
音楽家のジストニア:演奏中に右環指が勝手に伸びてしまう例

ジストニアではないか?と思い込む危険性

 最近では「音楽家はジストニアになりやすい」との風評がインターネットなどを通じて広がり、腱鞘炎なのにジストニアを心配する音楽家や音大生が増えています。腱鞘炎によって手指がひきつった状態がジストニアに見えているのですが、まずは正確に診断して、本当にジストニアなのか確認することが大切です。